ツグミを見て
池の岸を覆うクマザサやノイバラが密集した中で、小さな生き物が動く音がしていました。木陰を好むアオジやウグイスでもいるのかと思ってしばらく様子をいていると、突然フジやクズの蔓が巻き付いたナンキンハゼの枝にツグミが飛び出してきました。地上に降りてクマザサの間で餌を探していたようです。ツグミは焼き鳥にすると味がよく、昔は焼き鳥店などで売られていたそうですが、さすがに今では捕獲が禁じられているので公然と売られていることはありません。しかし、いまだにカスミ網などを使って捕獲する人もいるようです。この頃では見なくなりましたが、以前はバードウオッチングをするフィールドの中でも、カスミ網が仕掛けられているのを何度か見たことがありました。そんなときは、すぐに警察に通報したこともあり、網にかかってまだ生きている野鳥は糸を切って逃がしたこともありました。小さな体ではるばる遠い大陸からやってくる野鳥たちを、娯楽や趣味で殺す人の神経が理解できません。今年は例年に比べて飛来したツグミの数が多い年になりました。捕獲される数が減って個体数が増えてきたのなら嬉しいことです。この辺りのツグミは冬鳥としてはゆっくりと北へ帰るため、例年5月まで見ることができます。たくさん餌を食べ体力を養って、元気に北へ帰ってほしいと思いながら毎日ツグミを見ています。