カキの実とハシボソガラス

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野山や公園のあちこちで、カキの実が秋の日に照り映えています。そんな鮮やかな照柿色の実を下げたカキの木がたくさん見られるフィールドで、小高い土手の上に上がって周囲を見回していると、遠くのカキの木の樹冠にハシボソガラスがとまっていました。望遠レンズを向けてみると、熟れたカキをおいしそうについばんでいます。その様子を見ていて、幼いころ父母が毎月買ってくれていた幼児用絵本の、キンダーブックだったかひかりのくにだったかに、秋に熟れたカキの実は木の真ん中あたりになったものを収穫し、下の方の枝になった実は旅人のため、上の方の枝になった実はカラスをはじめ鳥のために残す話が載っていたことが記憶の片隅からにじみ出るように湧き上がってきました。そこに描かれていた絵や話の遠い記憶をたどっていると、私を膝に座らせ絵本を読み聞かせてくれた祖父母や父母の膝の暖かさが思い出されてきた秋の午後でした。

二度目はなかった・・・

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二週間ほど前に偶然シジュウカラの群れと行動をともにしていたヤブサメを撮影することができた公園の一角を、散歩に訪れるたびに注意して見ているのですが、以後は一度も出会うことができません。そろそろ時期的にもこの辺りを通り過ぎて南へ向かうころなので、この秋にはもう見ることはできないかもしれません。もともと薄暗い薮の中にいることが多く目にする機会が少ない野鳥なので、一度でも出会え画像にも残すことができてよかったとしなければならないようです。昨日の散歩中も注意して探していると、ヤブサメがとまっていたウメの木で野鳥の陰が動いたので期待してレンズを向けてみましたが、撮影できたのは写真のシジュウカラでした。

ソファーを取られて・・・

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この頃、しばしばハンナがリビングルームのソファーにあがり、体を横たえています。そうすると大きなハンナの体がソファーのほとんどを占領して、マリーや小次郎はゆったりと座ることができません。亡くなったサラやルナとはみんなで体を寄せ合って寝ることができたのに、ハンナとでは窮屈なうえ押しつぶされそうに思えるのか、一緒に座ったり寝ることをためらっているようです。いっそハンナの体の上へ乗ってみれば、暖かくてこれからは寝易いのではないかと思うのですが、不安定なのかそれもできないようです。これから徐々に冷えてきて、ソファーの上でみんなで固まって寝たくなる季節なので、ハンナに対する警戒心がすっかり消えた今年の冬はどういうことになるか楽しみにしています。写真は、ダイニングテーブルの椅子に乗ってソファーで横になったハンナを見る小次郎です。

涼しくなってきた!

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北海道や東北の山沿いからは雪の便りも届くようになり、このあたりでも朝晩は最低気温が10℃近くまで下がって冷え込むようになってきました。おかげで散歩も楽になり、暑さに弱いハンナも最近では足取りが軽快になり歩く速度が上がって運動量が増えてきました。ただ、涼しくなったとはいっても散歩を終える頃にはやはり長い舌が出てきます。今日も散歩の終盤に日が陰った草の上で休ませてやると、気持ちよさそうに池の上を吹いてくる涼しい風を受けて息を整えていました。お腹をこわしてしばらく体調が悪かったララも、最近では元気になって元どおりよく走るようになり、暑そうな様子をみせたため着ていたシャツを脱がせてやると、すぐに舌が引っ込んでいきました。ひと月前と比べると、暑がっていても短時間で荒い息が収まっていきます。気温が下がってくるこれからは、2匹にとってますます散歩がしやすく嬉しい季節です。

水と遊ぶ

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この写真も、日曜日の海辺での一こまを切り取ったものです。毛が細く長いためか、雨に濡れることや雨の日の湿った路面を歩くことは嫌いなララですが、海や川へ連れて行くと、濡れた砂の上で寝そべったり、寄せてくる波で遊ぶことは平気で、川遊びのときなどは川に足を浸けて水を飲んだりもしています。この写真を撮ったときも、この海岸としては比較的大きな波が寄せてきていましたが、その波にあわせるように波打ち際で進んでみたり後ずさりしてみながら足が濡れることも気にせず遊んでいました。以前にもこの海辺で突然やってきた大きな波を全身にかぶってしまったことがあり、一瞬驚いた表情をみせたもののすぐにまた楽しそうに遊び始めていました。濡れることは嫌いでも、楽しく遊べる水遊びは気にならないようです。

トウネンが1羽だけ

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日曜日に家族みんなで散歩をした浜辺で出会ったシロチドリの群れの中に、1羽だけトウネンが交じっていました。はじめのうちは群れの中の個体数を数えることに集中していて気づきませんでしたが、1羽ずつゆっくり見始めると色彩はシロチドリとよく似た地味な色ながら一回り小さな野鳥がいることに気づきました。少しずつ接近しながら望遠レンズで確認すると、どうもトウネンのようです。南へ渡っていく途中で仲間とはぐれたのか、先日はシロチドリの群れの中に1羽だけミユビシギが交じっていましたが、今度はトウネンが交じっていました。さらに接近していったところ、私に気づいたシロチドリが一斉に飛び立つとトウネンも飛び立ち、写真のように群れに交じって海の上を一巡りしたあと遠くの渚に降り立ちました。

渚のシロチドリ

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昨日散歩した浜辺は、先日襲来した台風21号と24号による波のためたくさんの砂や小石が堆積したり、逆に一部の場所では砂や土が削り取られてなくなったりして植物を見ることがほとんどできず、雰囲気が以前とはすっかり変わっていました。しかし、波打ち際ではこれまでと変わらず、シロチドリが群れを作って餌を探している姿がありました。20羽を超えるシロチドリが確認できましたが、浜辺には波に運ばれてきたちょうどシロチドリほどの大きさの小石が散らばり、よほど注意して見なければ個々の個体を見つけられないほど渚の風景に溶け込んでいました。

堤防の上で一休み

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昨日のララとハンナの散歩は、久しぶりに海辺へ行ってきました。いつもは私と行くことが多い散歩ですが、昨日は妻も一緒についてきたので、ララもハンナも嬉しそうにはしゃいで、離れて歩く私たちの間を何度も往復して渚を歩いていました。写真は、楽しんだ散歩を終えて車へ向かう途中に、護岸堤防の上で夕日を浴びて一休みするララとハンナです。夏の頃は、夕方になっても日中受けた強い日差しの余熱がコンクリートに残り、どちらも堤防の上を歩くことを嫌がっていましたが、秋になって、冷たさを感じるようになった秋風の中では、夕方のやわらかい日差しが気持ちいいようです。

感づいた!

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イヌは飼い主の気持ちを読み取ることに長けているということはよく聞きますが、ララとハンナも私の考えていることや感情を言葉や態度に表す前から読み取っているように見えることがよくあります。特に食事や散歩など自分たちが常日頃待っていることに関しては、敏感です。先日も新聞を読み終わってそろそろ散歩に連れていってやろうと考えたところ、すぐ近くで横になっていたハンナは私の気持ちに感づいて新聞を畳む前から頭を上げ、期待に満ちた目で私を見始めました。近くにあったいつも散歩に持っていくカメラを手に持つと、何もいわないのにもう散歩バッグのある所と私の近くをせわしなく行き来し、私がなかなか立ち上がらないと、促すような目をしてすぐ横にやってきて伏せ、前足を出して催促をしてきました。ララもハンナとほとんど同時に私の気持ちに感づいたらしく、私の顔を見ながら部屋の中を嬉しそうに走って回りだしました。こんなときにはいつも、言葉にも動作にも表さないのにどうして私が考えることが分かるのか知りたくなります。

マガモのエクリプス

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先日ハシビロガモの飛来を見た公園の池の水域にマガモもやってきました。ざっと数えただけでも30羽ほどがカルガモと一緒になって水面に浮いています。その中にはまだ完全に繁殖羽に換羽していなくて、写真のようにエクリプスの状態を残している個体もいくつか見られます。岸から離れた遠くの水面には、キンクロハジロとホシハジロの姿も見られるようになりました。カルガモとカワウしか見ることができなかった池の面が、これからは日毎にカモの姿が増えてにぎやかになってきます。木枯らしが吹く頃になると、この2年続けて姿を見せていたミコアイサもやってくるかもしれません。楽しみです。